• 米上院もウイルス対策で歳出法案可決、ウォーレン氏が大統領選撤退
  • HPが買収案拒否、JPモルガン従業員分散、日銀の次の一手

米10年債利回りが一時0.9%を割り込み、過去最低を更新しました。新型コロナウイルス感染拡大に対する警戒から逃避資産への資金流入が続いており、このところの下げはかなり急激です。年初は1.9%台でした。欧州中央銀行(ECB)より米金融当局の方がまだ利下げ余地があるとして、米国債利回りのさらなる低下を予想する声もあります。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

迅速に

米上院は新型ウイルスの緊急対策に78億ドル(約8300億円)を充当する緊急歳出法案を可決した。同法案はトランプ大統領に送付される。大統領は同法案成立を目指す動きについて「素晴らしいニュース」だとコメントしており、署名するとみられている。上院の採決結果は賛成96、反対1。同様の法案は4日に下院で可決されていた。

誰の支持に回るか

エリザベス・ウォーレン上院議員は、米大統領選の民主党候補指名争いから撤退した。序盤のヤマ場だった「スーパーチューズデー」でいずれの州でも勝利できず、指名獲得の展望が開けなかった。ウォーレン氏は、進歩的な政策を掲げるバーニー・サンダース上院議員と中道派のジョー・バイデン前副大統領、どちらの候補の支援に回るのか明言を避けた。「もう少し考えるため、あと少し時間がほしい」と記者団に述べた。

HPが拒否

米HPはゼロックス・ホールディングスが提示した買収案を拒否した。買収案が株主に最善の利益はもたらさないとの結論を取締役会として出した。ゼロックスの提案はHPの資産価値や戦略的・財務的価値を高めるための自社計画の効果を完全には反映していないと主張。株主に対し、ゼロックスの株式公開買い付け(TOB)に応じないよう勧告することを全会一致で決定した。

社員を分散

米銀JPモルガン・チェースは、新型ウイルス対策としてニューヨークとロンドンに勤務するセールスおよびトレーディングの一部従業員を別のオフィスに移転させ、分散を図っている。従業員宛ての文書で「予防措置」だとし、「顧客サービスの継続能力を高めつつ、感染が確認された場合の身体的接触に伴う健康リスクも軽減できる」と狙いを説明した。

日銀の次の一手

日本銀行元理事の門間一夫みずほ総合研究所エグゼクティブエコノミストは、新型ウイルスの感染拡大で日本経済の先行き懸念が広がる中での日銀の次の一手について、指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れを現在の目標額を変更することなく増やす措置などが考えられるとの見方を示した。現行マイナス0.1%の短期政策金利のさらなる引き下げは不要とも主張した。電話インタビューで答えた。

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