日本銀行が1日に発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、代表的な指数である大企業・製造業の業況判断指数(DI)が、前回の昨年12月調査から8ポイント悪化しマイナス8となった。悪化は5四半期連続で、2013年3月調査以来、7年ぶりにマイナスになった。

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による需要の減少や、中国での生産停止が長引きサプライチェーン(部品供給網)が寸断されたことで、輸出企業を中心に悪化幅が大きかった。

 大企業・非製造業は12ポイント悪化のプラス8で、13年3月調査以来の低い水準。訪日外国人客の急減に加え、各種イベントの休止や外出自粛による需要の低迷が大きく響いた。

 短観は全国約1万社が対象。DIは景気が「良い」と答えた企業の割合(%)から「悪い」と答えた企業の割合を引いた指数。回答期間は2月25日~3月31日で感染拡大による影響が大きく反映された。(笠井哲也)