[ニューヨーク 2日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対して続伸。世界的なリセッション(景気後退)不安でドルの逃避買いが続いた。
TIAAバンクのワールドマーケッツ部門社長、クリス・ガフニー氏は「新型コロナウイルスの影響が世界で拡大しており、投資家はドルを安全資産と見ている」と指摘した。
米労働省がこの日発表した3月28日終了週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は664万8000件と、前週の330万7000件(上方改定)から倍増し、2週連続で過去最多を更新した。
ミレニアム・グローバル・インベストメンツの共同最高投資責任者、リチャード・ベンソン氏は、今回の指標は予想に比べて極めて悪い内容だったと述べた。
投資家は3日に発表される3月の米雇用統計に注目。ロイター予想によると、非農業部門雇用者数は10万人減と、前月の27万3000人増から急減するとみられている。
ナットウエスト・マーケッツは顧客向けノートで「もちろん、雇用統計は4月にさらに大幅に悪化し、金融危機の際に記録した2009年3月の80万人減という最大の数字を上回るのはほぼ間違いない」と指摘した。
市場では、トランプ米大統領が先月31日に新型コロナとの戦いで非常に厳しい2週間が待ち受けていると発言して以降、警戒が強まっている。
米疾病対策センター(CDC)は2日、国内の新型コロナウイルス感染者数が21万3144人と、前日から2万7043人増加したと発表した。
この日は、円とユーロのスワップ市場でドル調達コストが安定化。新型コロナ流行で高まったドル需要が低下したことが示された。EURCBS3M=ICAP JPYCBS3M=ICAP
午後の取引で、ドル指数=USDは0.7%高の100.17。 対円JPY=EBSでは0.7%高の1ドル=107.91円。 ユーロEUR=EBSは対ドルで下落が続き、1%安の1.0847ドル。1週間ぶり安値を付けた。
米連邦準備理事会(FRB)は1日、新型コロナウイルス流行による景気悪化を和らげる措置の一環で、大手銀行の補完的レバレッジ比率(SLR)規制を一時的に緩和し、銀行が保有する米国債やFRBに預ける準備預金を同比率の算出から除外することを認めると発表した。
ドル/円
NY終値 107.90/107.93
始値 107.42
高値 108.09
安値 107.03
ユーロ/ドル
NY終値 1.0856/1.0860
始値 1.0918
高値 1.0929
安値 1.0822