【ワシントン時事】トランプ米大統領は30日、ワシントンで6月中の開催を目指していた先進7カ国首脳会議(G7サミット)を9月以降に延期する意向を明らかにした。また、日本など正規の参加国に加えてロシア、韓国、オーストラリア、インドの各国を招待する考えを示した。
トランプ氏は記者団に、現在の国際課題に対応する上でG7が「時代遅れの集まりだ」と述べ、新たな枠組みを構築する必要があると指摘した。大統領報道担当官はサミットで中国問題が話し合われるとの見通しを示した。
トランプ氏は9月中旬にニューヨークで始まる国連総会の前後にサミット開催が可能と述べる一方、11月3日の米大統領選の「後になるかもしれない」と語った。韓国政府高官はロイター通信に「招待については認識している」と述べ、詳細は今後米側と話し合う予定という。
米政府は先に、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてテレビ会議への切り替えを発表していたG7サミットについて、通常形式での6月下旬の開催を表明。安倍晋三首相らは出席に意欲を示しているが、米メディアによると、カナダのトルドー首相が難色を示し、ドイツのメルケル首相は参加辞退の意向を米側に伝えている。
「G8」のメンバーだったロシアは、ウクライナ南部クリミアを併合した2014年以降、排除されている。トランプ氏はこれまでもロシアの復帰に意欲的で、19年のG7サミットでも実現を働き掛けたが、英仏独は「時期尚早」と反対した。