【ソウル時事】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の妹、金与正党第1副部長は13日、談話を発表し、韓国と「決別する時が来たようだ」と強調した。その上で、「次の対敵行動の行使権は軍総参謀部に委譲する」として、軍事的な圧力を加える可能性を示した。軍の対応の詳細は不明だが、2018年の南北軍事合意の破棄や、軍事境界線付近での軍備増強などが考えられ、緊張が高まりそうだ。
与正氏は韓国の脱北者団体が正恩氏を非難するビラを北朝鮮に向けて飛ばしたことへの韓国政府の対応を改めて批判。報復のため「対敵事業関連部署に次の段階の行動決行を指示した」として、既に撤廃の方針を示している北朝鮮・開城の南北共同連絡事務所について「跡形もなく崩れる悲惨な光景を見ることになる」と主張した。
さらに「その次の計画」として、軍総参謀部に行動の「行使権」を与える考えを表明。与正氏は「わが軍隊は人民の憤怒を多少なりとも冷ます何かを決心して断行すると信じる」と述べており、何らかの軍事行動に出る可能性もある。
与正氏はこうした指示について、「委員長同志(正恩氏)と党、国家から与えられた私の権限を行使した」としており、強い決定権限を持っていることも誇示した。