- 6月は前月比7.5%増-過去最大の伸びだった前月は上方修正
- 主要13項目のうち10項目で増加-衣料品や電気製品など大きく伸びる
6月の米小売売上高は前月に続き、予想を上回る伸びとなった。活動を再開する事業が増えたほか、失業保険給付の上乗せにより失業者の懐に余裕が生まれた。
キーポイント |
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・6月の小売売上高は前月比7.5%増 ・エコノミスト予想の中央値は5%増 ・前月は18.2%増(速報値17.7%増)に上方修正 |
小売売上高は6月の増加により、新型コロナウイルス感染がパンデミック(世界的大流行)となる前の水準にほぼ並んだ。企業活動や経済成長全般を下支えしそうだ。
同時に需要を巡るリスクは残る。特に新型コロナ感染の再拡大で一部の州が経済活動再開の動きを停止、または後退させている状況がある。一部の国民に給付された一時金の効果は薄れ、週600ドル(約6万4000円)の失業手当上乗せ措置も今月末で失効するため、一部消費者は裁量支出を減らす可能性が高い。
オックスフォード・エコノミクスのリディア・ブスール氏とグレゴリー・ダコ氏はリポートで、今回の統計は「需要の力強い急回復を裏付けている。小売売上高は新型コロナの感染が広がる前の水準に戻っている」と指摘。一方で、「この統計は消費者が惜しまず散財しているとの錯覚を覚えさせるが、現実はより厳しい。新型コロナの感染再拡大や『財政の崖』が近づいている状況を受けて、消費者は不安を強めている」と記した。
6月は主要13項目のうち10項目で増加。特に家具や電気製品、衣料品、スポーツ用品が大きく伸びた。衣料品は105.1%増、電気製品は37.4%増だった。
飲食店は20%増。店内での飲食ができるレストランやバーが増えたことが背景にある。前月は31.5%増だった。一方で食料品店は1.6%減少した。
自動車ディーラーは8.2%増。自動車を除く小売売上高は7.3%増だった。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:U.S. Retail Sales Surge Higher in June To Pre-Pandemic Levels(抜粋)