【モスクワ時事】ベラルーシのルカシェンコ大統領が6選を決めたとされる大統領選(9日投票)の結果に抗議するデモが23日、首都ミンスクで行われ、ロイター通信によると、約20万人が参加した。参加者は反政権派の象徴となっている白と赤の旗を振りながら「辞任せよ」と連呼し、ルカシェンコ氏の退陣を求めた。
一方、ベラルーシの国営通信社はヘリコプターで大統領官邸に到着したルカシェンコ氏が銃を片手に持って歩く動画を配信した。デモ隊の一部が官邸に接近しており、威嚇する意図がありそうだ。
デモ隊はミンスク市中心部の広場に集結。「自由を」などと気勢を上げながら市内を行進した。反政権派幹部は参加者に向けた声明で、ルカシェンコ氏が反政権派との対話を拒否していると指摘。「われわれの抗議活動はマラソンだ」とも述べ、事態長期化への覚悟ものぞかせた。ミンスクでは16日にも20万人規模の抗議デモが行われた。
政権は抗議デモの取り締まり強化を警告していたが、23日は大きな衝突はなかったもようだ。ただ、ベラルーシ国防省は23日、今後は軍が国内にある第2次大戦の記念碑などの警備を担当すると発表した。デモ隊がこうした記念碑に集結した場合、警備を口実に軍が排除に乗り出す可能性が出ている。