太陽系が形成される中で地球に多数の隕石(いんせき)が降り注いだ時期があったとされていますが、広島大学などの研究グループは、この時期が、これまで考えられていたよりも、最大で5億年ほど古く、生命が誕生する前のおよそ44億年前であった可能性があると公表し、地球の初期の歴史を見直すことにつながる成果だとしています。

太陽系の形成される中で、地球や月などに多数の隕石が降り注いだとされる「後期重爆撃期」と呼ばれる時期がありますが、これまでは月のクレーターの分析から生命が誕生した直後のおよそ39億年前と推定され、生命がどのようにして生き残ったのかなどの研究が行われています。

広島大学の小池みずほ助教などの研究グループは、「後期重爆撃期」に衝突があったと考えられる小惑星からきた隕石の元素を最新の分析方法で測定しました。

その結果、衝突が起きた時期はおよそ44億年前から41億年前となり、「後期重爆撃期」は、これまで考えられていたより2億年から5億年ほど古い可能性があると公表しました。

研究グループは、月のクレーターの分析ではサンプルが偏っていた可能性があるとしています。

広島大学の小池みずほ助教は「隕石が降り注いだ時期は地球に生命があらわれるよりも前となることから、生命が誕生した前後の地球の初期の歴史を見直すことにつながる成果だ」としています。