[ニューヨーク 18日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、円が対ドルで5日連続で上昇し、7週間ぶりの高値を付けた。欧州で新型コロナウイルス感染が急拡大していることに加え、米国で追加景気対策法案を巡る与野党間の協議に進展が見られないことで、安全通貨としての円の需要が高まった。
週足で主要6通貨に対するドル指数=USDは8月以来初めて下落。市場関係者は、11月3日の米大統領選挙を控え市場が神経質になっていることや、米中間の緊張の高まりなどもドル軟調の要因として挙げている。
英ポンドGBP=D3は、新型ウイルス感染の拡大を受け全国的なロックダウン(都市封鎖)の再導入がを検討されていると伝わったことで下落。イングランド銀行(英中銀)が17日にマイナス金利政策について言及したことも重しになっている。
欧州ではフランスでも感染が急拡大。OANDA(ニューヨーク)のシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は、新型ウイルス感染再拡大を巡る懸念が増大していることで「リスク回避」の姿勢が高まっていると指摘。「欧州諸国はウイルスとの戦いで今は負けているように見える」とし、「経済活動の再開については失望的なニュースが増えており、リスク選好の重しとなる」と述べた。
ユーロは対ドルEUR=EBSでほぼ横ばいの1.1851ドル。ただ対円では過去5日間で4日下落した。終盤の取引でユーロ/円は123.90円。
ドル/円JPY=EBSは一時104.27円まで下落し、7月31日以来の安値を更新。終盤の取引では0.19%安の104.53円。
BKアセット・マネジメントの外為戦略部門マネジング・ディレクター、ボリス・ショレスバーグ氏は「日銀による量的緩和にもかかわらず、日本の市場状況は見かけよりもかなりタイトになっている」と指摘。「これにより円に対する大きな傾きが見られている」と述べた。
市場関係者は、日本の金融市場が来週21日と22日に休場となるため、薄商いに備えた動きが円の上昇に寄与した可能性もあるとしている。