朝日新聞社が30日発表した2020年9月中間連結決算は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、売上高が前年同期比22・5%減の1390億9千万円、営業損益が92億9100万円の赤字だった。業績の動向などから、将来の利益を前提に税金の前払い分を資産として計上する「繰り延べ税金資産」を取り崩したため、純損益は419億800万円の赤字となり、中間決算として9年ぶりの赤字となった。

 単体の決算も営業損益が87億5600万円、純損益が408億4500万円の赤字。本社は、コロナ禍の影響拡大を受けて緊急の収支改善対策を進めている。事業構造の改革も推し進めてデジタル事業を伸ばすことなどで、21年度の営業黒字転換を目指す方針。

 渡辺雅隆社長はこの日の社内説明で「コロナ禍がきっかけとはいえ、構造改革のスピードが鈍かったことが赤字の背景にあることは否めず、責任は社長である私にある」と言及。新しい中期経営計画がスタートする来年4月1日に社長から退き、中村史郎副社長を後任とする意向を明らかにした。