東京都の小池知事は、1日夜、菅総理大臣と会談し「Go Toトラベル」の東京発着の旅行について、65歳以上の高齢者と糖尿病など基礎疾患のある人に自粛を呼びかけることで合意しました。

呼びかけの期間について都は、酒を提供する飲食店などに午後10時までの営業時間の短縮を要請している今月17日までに合わせるよう国に求めています。

都内では急速な感染の拡大に伴い、65歳以上の感染確認が先月は前の月のおよそ1.8倍に増えています。

小池知事は「重症化しやすい高齢者が感染しないことにポイントを当てる」と述べ、重症者の増加を食い止めて医療のひっ迫を防ぎたいという考えを示しました。

ただ、事業の「停止」ではなく「自粛の呼びかけ」にとどまったことで、都は、効果を得るためには都民や事業者の理解が欠かせないとして、一層の協力を求めたい考えです。これについて、旅行会社の担当者からは対応の難しさやたびたび制度の運用が変わることへの困惑の声が聞かれました。

自粛を求める対象に65歳以上の高齢者が含まれていることについて、都内の旅行会社の担当者は「すでに予約済みの客の住所は分かっても、複数の人たちで予約した場合、年齢は代表者しか把握していないケースもある」と話していました。

別の旅行会社の担当者は「65歳で線引きすることを客に納得してもらえる根拠がないと、現場の対応が難しい」と話していました。

また、自粛を求める対象に基礎疾患のある人が含まれていることについて、旅行会社の担当者は「客の個人情報に入りこむことなので、事業者が確認するのはハードルが高い」と話し、旅行会社が確認する場合には手続きを定めたガイドラインが必要だと訴えていました。

また「政府や東京都には旅行客の理解を得られる説明をしてほしい」という声も聞かれました。

GoToトラベルは観光需要を喚起する政策ですが、運用がたびたび変わることについては「業務の負担が増え、旅行客への対応も難しくなっている」と嘆きの声も聞かれました。