[ニューヨーク/ワシントン 14日 ロイター] – 米国で14日、米ファイザーが独ビオンテックと共同開発した新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった。

接種はニューヨーク州で始まり、一番手はロングアイランド・ジューイッシュ・メディカル・センターの集中治療室(ICU)で働く看護師のサンドラ・リンゼイさんだった。

リンゼイさんは「他のワクチン接種と何も変わらなかった」と感想を述べ、「希望や安心感とともに癒しの訪れを感じている。これが歴史に残る多大な苦しみの時代の終わりの始まりになってほしい」と語った。

トランプ大統領は「初のワクチン接種だ。おめでとう米国、おめでとう世界!」とツイッターに投稿した。

米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長はMSNBCに対し、米国では一般国民へのワクチン接種が「3月末から4月初旬まで」、もしくは「2021年第2・四半期末、春の終わりまで」に始まる可能性があるとし、「秋にかけて一定の安心感を得らえるようになるだろう」と述べた。

ワクチン接種はニューヨーク州の医療機関「ノースウェル・ヘルス」の系列病院で行われている。テキサス、ユタ、ミネソタ州の一部の病院にも同日中にワクチンが供給され、接種が始まる見通し。

政府のコロナワクチン開発加速に向けた「ワープ・スピード作戦」の一翼を担うペルナ米陸軍大将によると、ワクチンはこれまでに国内55カ所に出荷された。同日午後までに145カ所への出荷を目指す。週末までに290万回分のワクチンが636カ所に届けられる見通し。

米公衆衛生局のアダムス長官はFOXニュースとのインタビューで「史上最も困難なワクチンの展開であり、間違いなく支障が生じるだろうが、可能な限りスムーズに進行するよう、あらゆる対策を講じてきた。われわれとともに辛抱してほしい」と訴えた。

米州兵によると、現時点で26の州・領土がコロナワクチンの供給に州兵から支援を得ることを計画しているという。

また、ファイザーのブーラ最高経営責任者(CEO)はこの日、CNNテレビとのインタビューで「米政府は当社に対し、来年第2・四半期に追加で1億回分のワクチンを求めている。1億回分のワクチンを供給することは可能だが、現時点ではその大半が第3・四半期の供給になる可能性がある」と述べた。