ドイツの自動車メーカー、ダイムラーは3日、高級車部門と商用車部門に企業分割し、社名を「メルセデス・ベンツ」に改称すると発表した。商用車部門は別会社として年内に上場する。
商用車部門の社名は「ダイムラー・トラック」とし、株式の過半数はダイムラー株主に分配する。今回の決定は、オーラ・ケレニウス最高経営責任者(CEO)が2年前に就任して以来、最も抜本的な組織改編になる。
一部の投資家はグループ企業としての価値低迷が続いていることを理由に、ダイムラーにスピンオフを要求していた。同社は最近、主力事業の独立性を高めるよう組織構造を調整したが、中途半端と見なされ投資家の評価向上にはほとんどつながらなかった。
3日のフランクフルト株式市場でダイムラー株は一時9.7%上昇し、日中の上昇幅としては2018年5月以来の大きさを記録した。
ダイムラーの商用車部門はスウェーデンのボルボグループと同様の基準に基づくと、企業価値は推定290億ユーロ(約3兆6600億円)と評価される。ただ、この水準の評価を正当化するには利益率の大幅な改善が必要だろうと、ドイツ銀行のアナリストは1月のリポートで指摘。一方、バーンスタインは推定350億ユーロと、もっと高く評価している。
原題:Daimler to Become Mercedes-Benz, Split Trucks Unit From Cars (1)(抜粋)