ユーロを救うためには「何でもやる」-。2012年の発言が繰り返し引用されるマリオ・ドラギ前欧州中央銀行(ECB)総裁が、イタリア首相になる可能性が出てきました。金融市場には「ドラギ・マジック」を期待する声(アバディーン・スタンダード・インベストメンツのジェームズ・エイシー氏)が聞かれる一方で、分断されたイタリアの政治的不安定さと経済的苦境は変わらない(ブルームバーグエコノミクス)と懐疑的な分析もあります。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

スーパーマリオ

ドラギ前ECB総裁はイタリアのマッタレッラ大統領からの組閣要請を受諾した。受諾の発表後、ドラギ氏は「パンデミックを克服しワクチン接種を完了させ、市民の日々の問題に解決策を提供し、イタリアを再生させることが、われわれが直面する課題だ」と語った。各政党の指導者らと面談し、議会で可能な限り大きな過半数を得られる連立政権を樹立したい考え。

譲れない一線

バイデン米大統領は民主党下院議員らとの電話会合で、個人への直接給付金を1400ドル(約14万7000円)未満に減らすことは、大統領就任当初から有権者への公約を破ることになると語った。複数の会議参加者が明らかにした。バイデン氏は直接給付の受給資格を厳しくすることを検討する可能性は排除しないと述べる一方、経済対策案で示した1400ドルから減らすことには消極的な姿勢を示唆したという。

抜本改編

ドイツの自動車メーカー、ダイムラーは高級車部門と商用車部門に企業分割し、社名を「メルセデス・ベンツ」に改称する。商用車部門は別会社「ダイムラー・トラック」とし、年内に上場する。ケレニウス最高経営責任者(CEO)が2年前に就任して以来、最も抜本的な組織改編になる。フランクフルト株式市場でダイムラー株は一時9.7%上昇し、日中の上昇幅としては2018年5月以来の大きさを記録。

不正の形跡

米証券取引委員会(SEC)は、ゲームストップやAMCエンターテインメント・ホールディングスなど株価が目まぐるしい動きとなった背景に不正行為の関与がなかったかどうか、ソーシャルメディアとオンライン掲示板の投稿を細かく調べている。事情に詳しい関係者が明らかにした。SECは市場を不正に傾けることを意図した偽情報を特に調査中だという。

6カ月

新型コロナウイルスに感染した人の大多数は感染から少なくとも半年たった後も抗体を保持していることが、2万人余りを対象に実施した新たな調査で明らかになった。英国の生物医学研究機関UKバイオバンクのリポートによれば、過去に感染し検査で陽性反応が示された参加者のうち88%程度が、抗体を半年間保有していた。

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