[北京 7日 ロイター] – 中国税関当局が7日発表した2月の貿易統計によると、輸出は前年比で過去最高の伸びを記録した。前年1─2月の中国経済は新型コロナウイルス流行と感染抑制のためのロックダウンで深刻な打撃を受けていた。

2月のドル建て輸出は前年比154.9%増。輸入は同17.3%増加し、2018年10月以来の大幅増となった。

1─2月では、輸出は前年同期比60.6%増。ロイター調査のアナリスト予想の38.9%増を上回った。

税関当局は1月単月のデータを公表していない。

中国では、当局がコロナ封じ込めにほぼ成功したことを受けて輸出が大幅に増加し、コロナ禍からの経済全体の回復を後押ししてきた。

税関当局はウェブサイトに掲載した声明で、輸出が記録的に増加した要因として外需の回復を指摘。欧州連合(EU)や米国の製造業の活動上向き、これらの国の財政刺激策による中国製品の輸入増を挙げた。

さらに、中国の製造業従業員の大半が今年は旧正月(春節)連休に帰省しなかったことにも言及。輸出業が盛んな省では多くの企業が連休中も操業を続け、例年なら連休明けに先送りする納入に対応したとの調査結果を明らかにした。

中国政府は今年、コロナ感染拡大を防ぐため、旧正月の帰省を控えるよう呼び掛けていた。

1─2月の輸入は前年同期比22.2%増と、アナリスト予想の15%増を上回った。税関当局によると、半導体とエネルギー製品の在庫補充が増加の一因。

1─2月の貿易収支は1032億5000万ドルの黒字。アナリスト予想では、黒字額が昨年12月の781億7000万ドルから601億5000万ドルに減少すると見込まれていた。

税関当局によると、1─2月の対米貿易黒字は512億6000万ドル。単月のデータは示さなかった。昨年12月の対米貿易黒字は299億2000万ドルだった。

人民元建てでは、1─2月の輸出は前年同期比50.1%増、輸入は同14.5%増だった。

税関当局は「新型コロナの影響で、昨年1─2月の(元建て)貿易は9.7%減少した。今年の伸びは比較対象となる昨年の低水準が一因だ」とした上で「(コロナ前の)2018、19年の同時期と比較しても、中国の貿易は約20%増えている」と分析した。