【ワシントン時事】米インド太平洋軍の次期司令官に指名されたアキリーノ太平洋艦隊司令官(海軍大将)の承認に関する公聴会が23日、上院軍事委員会で開かれた。アキリーノ氏は台湾有事の時期について「大方の予想よりずっと近い」と警告。西太平洋に展開する米軍態勢を増強し、中国に対する抑止力を強化する必要性を訴えた。

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 同氏は、中国が台湾を武力侵攻する可能性のある時期について「きょうから2045年までと(見解によって)幅があるが、切迫感を持ち、短期間で抑止能力を向上させなければならない」と強調。「日付変更線以西に、同盟・パートナー国と連携しつつ事態に即応できる部隊を展開することが重要だ」と述べた。

 また、日本も台湾をめぐる状況が意味するところを理解していると指摘。「日本との関係や相互運用性、調整には非常に満足している」と話し、日米同盟が「地域における抑止力の土台」になるとの認識を示した。

 近く退任するデービッドソン・インド太平洋軍司令官も今月、中国の軍拡が予想を上回るペースで進んでおり、6年以内に台湾に対して武力を行使する危険性が高まっていると訴えていた。