[マニラ 4日 ロイター] – フィリピンのロレンザーナ国防相は4日、同国が南シナ海に有する排他的経済水域(EEZ)に中国船が多数居座っている問題を巡り、中国が占拠海域を広げることを狙っていると改めて非難した。
ロレンザーナ氏は「中国の武装海上民兵がこの海域に存在し続けていることから、西フィリピン海(南シナ海のフィリピン名)で彼らが占拠(海域)をさらに広げる意図があるとはっきり分かる」と強調した。フィリピン当局の集計に基づくと、同国のEEZ内にあるウィットサン礁付近に一時200隻を超える中国船が停泊していた。
ロレンザーナ氏は3日にも、天候が回復したにもかかわらず、まだウィットサン礁に44隻の中国船がいると指摘。「私はばかではない。このところ天候はずっと良いので、彼らがそこにとどまる理由はない」と発言した。
中国側は悪天候から避難するための行動で、船に武装民兵はいないと主張している。また在マニラ中国大使館は、中国船にとってこの海域で漁業活動をして、荒天時にウィットサン礁近くに待避するのは「完全に普通のこと」であり、そうした行動に対して「理不尽な」言動をする権利は誰にもないと反論した。