[ニューヨーク 9日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ドル指数が小幅高。米中の物価統計が予想を上回る中、米国債利回りの上昇につられる格好となった。

ドルは通貨バスケットに対し0.1%高の92.163。一方、週間では0.9%安と、年初来の大幅な下げとなった。

マネックス・ヨーロッパの通貨アナリスト、サイモン・ハーベイ氏は、「米中の物価統計で米国債利回りが上昇したことから、この日は全般的にドル値固めの動きが見られた」と述べた。

3月の米卸売物価指数(PPI)は前年同月比4.2%上昇し、2011年9月以来、9年半ぶりの高い伸びを記録。また中国の3月生産者物価指数(PPI)も前年比4.4%上昇し、約3年ぶりの高い伸びとなった。

Axiの国際市場チーフストラテジスト、スティーブン・イネス氏は、「米連邦準備理事会(FRB)の辛抱強いレトリックが変わらない限り、ドル売りが再開する可能性は高い」と予想した。

豪ドルは一時0.9%安。その後は下げ渋った。MUFGのアナリストは、マクロ要因は特に見当たらないものの、オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)が発表した半期の金融安定報告で、貸出リスクの増大に対し、政策対応を見送る姿勢が見られたと指摘した。