[モスクワ/キエフ/ブリュッセル 22日 ロイター] – ロシアのショイグ国防相は22日、ウクライナ国境付近で演習に参加していた軍部隊に対し、5月1日までにそれぞれの基地に帰還するよう命令した。西側諸国が懸念を示していた国境沿いの軍部隊増強が終了する。発表を受け、ロシアとウクライナの通貨がともに急上昇した。
ショイグ国防相は、軍部隊による国境地帯の「査察」が終了したと表明。「軍部隊の国家防衛能力が示され、査察の目標は十分に達成された」と述べた。ただ、演習に使った装備品は、年内に計画されている次回の大規模演習に備え、ウクライナ国境から遠くないボロネジ市の演習場にとどめる。
ロシア軍はこの日、2014年に併合したクリミアで1万人の部隊と40隻を超える艦船が参加する演習を実施。ショイグ国防相はこれに参加していた。
米国務省のプライス報道官は、ロシア側の発表を承知しており、国境の状況を注視していると表明。「言葉は聞いたが、われわれが求めているのは行動だ」として、事態を見守る姿勢を示した。北大西洋条約機構(NATO)当局者は、ロシア軍部隊の撤収は重要とし、「NATOは引き続き緊密に注視していく」と述べた。
ロシア大統領府によると、ウクライナのゼレンスキー大統領はプーチン大統領に会談を提案。ペスコフ報道官は「プーチン氏が会談が必要と判断すれば、本人が回答する。現時点で発表することはない」とした。