【大邱聯合ニュース】韓国大法院(最高裁)が日本製鉄(旧新日鉄住金)に日本による植民地時代の強制徴用被害者への賠償を命じた判決を巡り、裁判所が韓国内にある同社の差し押さえ資産の鑑定を行ったことが13日、分かった。賠償に向け資産を現金化するための手続きが進んだことになる。

 大邱地裁によると、同地裁の浦項支部は今年初め、日本製鉄が持つ韓国鉄鋼最大手ポスコとの合弁リサイクル会社「PNR」の株式の売却命令に向け、鑑定を行った。鑑定人は1月15日に鑑定書を同支部に提出した。

 法曹界は、鑑定書の提出により売却対象の株式に対する鑑定手続きが最終段階に入ったとみている。ただ、株式の売却命令を出す時期はまだ決まっていないという。

 日本製鉄側は、鑑定書の提出後に裁判所へ意見書を2回出した。意見書の内容は公表されていない。

 韓国大法院は2018年10月、日本製鉄に対し、強制徴用被害者1人あたり1億ウォン(約970万円)の賠償を命じた。

 日本製鉄が賠償に動かなかったことから、大邱地裁浦項支部は19年1月、原告側が申し立てた同社の韓国内資産であるPNR株の差し押さえを承認。日本製鉄は同資産を処分できなくなった。

 浦項支部は昨年6月、日本製鉄に差し押さえの決定を伝えたとみなす公示送達の手続きを取り、同8月に効力が発生した。日本製鉄側は同月、資産差し押さえ命令を不服として即時抗告しており、大邱地裁民事抗告部がこの案件を審理している。