[ガザ/エルサレム/パリ 18日 ロイター] – イスラエルは18日、夜間に一時休止していたパレスチナ自治区ガザへの空爆を再開した。パレスチナの武装勢力もロケット弾を発射し、応酬した。
警察当局によると、ガザとの境界に近いイスラエルの農家では、ロケット弾によってタイ人の労働者2人が死亡し、7人が負傷した。
夜間に戦闘が休止されていた間、国連はガザに小規模な燃料輸送団を派遣。国連の試算では、ガザではこれまでに約5万人の住人が行き場を失っている。
ガザの当局者は、先週の戦闘開始以降、パレスチナ側の死者は215人で、このうち61人が子ども、36人が女性だったと明らかにした。負傷者も1400人超に上る。
イスラエル側の死者は12人で、うち2人が子どもとなっている。
18日時点で、ガザでは約450の建造物が破壊、もしくは大きな損傷を受けた。国連のデータによると、病院6カ所と医療センター9カ所が含まれる。
イスラエル軍によると、ハマスやその他勢力がこれまで3450発超のロケット弾をガザから発射したと発表。また、イスラエル側は少なくとも130人の武装勢力を殺害したとしている。
イスラエルのネタニヤフ首相はツイッターへの投稿で、イスラエルの攻撃によって「ハマスを数年前まで後退させた」と表明。イスラエルのメディアは、数日以内に停戦し、勝利を宣言する可能性を示唆していると報じた。
しかし、元イスラエル軍幹部によると、ヨルダン川西岸などでは大規模な抗議デモが実施されているほか、レバノンからもロケット弾が発射されるなど、状況は混沌としている。
欧州連合(EU)の外相は停戦を呼び掛けたものの、イスラエルの同盟国であるハンガリーが同調することを拒否し、EU加盟国による全会一致での決定にはならなかった。
しかし、ハンガリーを除くEU加盟国は、米国やロシア、国連と連携し、和平プロセスの再開を目指すと確約した。
また、エジプトはガザ地区の復興に5億ドルを拠出すると表明した。
こうした中、フランスは、停戦に向けた国連安全保障理事会での決議を要求した。仏大統領府は、マクロン大統領とエジプトのシシ大統領、ヨルダンのアブドラ国王が会談し、「銃撃をやめ、停戦し、国連がこの問題に対応すべき」という3点で一致し、「停戦に向けた国連安保理の決議を採択する採決を要求する」という声明を発表した。
一方、外交筋によると、米国のトーマスグリーン国連大使は「安保理による行動や声明が暴力の終結を後押しするか見極める必要がある」とし、「現時点で公式な宣言が、事態の沈静化に寄与するとは判断してない」と慎重な見方を示した。