[ニューヨーク 21日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが主要通貨バスケットに対し上昇。堅調な米製造業指標が追い風となった。しかし、米連邦準備理事会(FRB)による緩和縮小(テーパリング)を巡る懸念が和らぐ中、週間では下落する見通し。
IHSマークイットが公表した5月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は61.5と、同統計が製造業全体をカバーするために改定された2009年10月以降で最高となった。
ドル指数は0.222%高の89.993。一時、4カ月ぶり安値に沈む場面もあった。週間では0.4%安となる見通し。
スコシアバンクのチーフ為替ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は、FRBが緩和解除を急ぐことに懐疑的な見方を示し、「米債利回りの動き(上昇)は抑制され、ドルは引き続き弱含むだろう」と述べた。
一方、キャピタル・エコノミクスの市場エコノミスト、シモーナ・ギャンバリーニ氏は、最近発表の米指標が欧州発の指標に比べ堅調な内容となっていることを指摘。「米経済は今後数年、ユーロ圏経済よりも速いペースで拡大する見通し」とし、ユーロが対ドルで下落すると予想した。
ユーロ/ドルは小幅安。5月のドイツ、フランスのPMI速報値はともに底堅い内容となったものの、ユーロを支えるには至らなかった。
英ポンド/ドルは0.2%安。力強い英景気回復見通しから、週間では3週連続で上昇する見通し。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは11.5%安の3万5952.05ドル。イーサも14.3%下落した。中国の金融安定発展委員会が金融リスク防止・管理に向け、ビットコインのマイニングや取引を取り締まる方針を表明したことが嫌気された。