【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル)前検事総長(60)は29日に記者会見を開き、来年3月の大統領選に出馬する意向を表明した。

 尹氏は検察改革などを巡って文在寅(ムン・ジェイン)政権と対立し、今年3月に検事総長を辞任した。各種世論調査では、野党陣営の大統領選候補の支持率トップを走っている。

 尹氏は「政権交代を熱望するすべての人と力を合わせ、しっかりやっていきたい」として、「国民はこれ以上彼らの欺瞞(ぎまん)とうその扇動にだまされない。腐敗し無能な勢力の政権延長と国民略奪を防がなければならない」と強調。「同意するすべての国民と勢力は力を合わせなければならない。必ず政権交代を成し遂げなければならない」と訴えた。

 最大野党「国民の力」に入党するかどうかに関しては、「政治哲学の面では国民の力と考えが一緒だ」としながらも即答を避けた。尹氏は会見前、国民の力の前職と現職の国会議員26人と面会した。

 同氏は「経済常識を無視した所得主導成長、市場と戦う住宅政策、法を無視し世界一流の技術を死蔵させた脱原発、票を買うことに近いポピュリズム政策」と文政権を批判し、「この政権が犯した無道な振る舞いはいちいち列挙することも難しい」と指摘した。

 また、「この政権は権力を私物化するだけにとどまらず、政権を延長して国民を略奪し続けようとしている」と非難。「自由が抜けた民主主義は本当の民主主義ではなく独裁」とし、「到底彼らをこのままにして置くわけにはいかない」と強調した。

 自身と妻らを巡る疑惑が書かれたとされる文書については、「公職者は無制限の検証を受けなければならない」としながらも「その検証はしかるべき根拠とファクトに基づいて行われるべきだ。出どころが不明な根拠のないデマを流せば国民が判断すると思う」と述べた。