北朝鮮の国営テレビは市民がキム・ジョンウン(金正恩)総書記について「やつれた姿を見ると胸が痛い」と語るインタビューを放送しました。韓国やアメリカのメディアがキム総書記が最近痩せたように見えると伝える中、放送の意図に関心が集まっています。

北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは先週、キム・ジョンウン総書記が鑑賞したコンサートについて市民に感想を聞く番組を放送しました。

この中でインタビューに応じた男性が「キム総書記がやつれた姿を見るとわれわれはもっとも胸が痛い。みな自然に涙が出ると言っている」と話しました。また、中国・北京に住む北朝鮮の人もNHKの取材に対して「キム総書記の姿を見ると自分たちがもっとしっかりしなければという自責の念を感じる」と話していました。

キム総書記をめぐっては、韓国メディアやアメリカのCNNテレビが6月と過去の国営テレビの映像を比較しながらキム総書記が最近痩せたように見えると伝えています。

国営テレビが最高指導者の体調に関連した放送をするのは異例で、その意図に関心が集まっています。

北朝鮮情勢に詳しい慶應義塾大学の礒崎敦仁教授は「経済や食料事情が厳しい中で国民一人一人が頑張らないといけない、キム総書記に負担をかけてはならないという運動につなげる意味もあると思う」と分析しています。

一方、韓国の通信社・連合ニュースは「韓国統一省はキム総書記の健康に異常が起きたと判断する動向はないとみている」と伝えています。