【ソウル時事】北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は10日、活動家に党思想の徹底を求めた論説で「1990年代の『苦難の行軍』前後に成長した世代が今、活動家の主力に登場している。搾取と圧迫も体験せず、戦火もくぐり抜けておらず、廃虚から全てを新たにつくらなければならなかった試練も経ていない」と苦言を並べた。「活動家の質的な変化は、革命化問題を一層表面化させている」と指摘している。

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 90年代後半の食料難、苦難の行軍は、国家による配給が途絶え市場経済が広がるきっかけになったとされ、この時期以降に成長した世代は党や国家への忠誠心が薄いという見方がある。論説は、朝鮮戦争や戦後復興を経験した古い世代とは異なる若い党活動家の思想の緩みに危機感を示したものとみられる。

 韓国情報機関、国家情報院も8日の国会報告で、北朝鮮当局が「非社会主義との闘争」と称して若い世代の韓国風の言葉や服装などに対する取り締まりを強化していると指摘。「取り締まり対象の80%が10~30代だ」と述べていた。