男子陸上3000メートル障害。地味な種目だ。その種目で順天堂大の三浦龍司が7年ぶりに入賞を果たした。YAHOOニュースによると、予選で8分09秒92の日本記録を樹立、この種目としては1972年ミュンヘン五輪の小山隆治以来、49年ぶりに予選を突破した。記録はまだある。トラックの個人種目での入賞は2000年シドニー大会10000m7位高岡寿成以来21年ぶりだそうだ。たまたま予選をLiveでみていた。1位になった優勝候補と互角の走りだった。ラストに強い。日本人離れした走りに素人ながら感心した。決勝は再放送で確認したが堂々たる走りだった。「入賞できたんですけど、正直悔しい気持ちもあります」、次を感じるインタビューだ。三浦の走りは日本陸上の歴史を変えるかもしれない。そんな気がした。
経歴もすごい。YAHOOニュース(月刊陸上)によると、高3で高校記録(櫛部静二、8分44秒77/1989年)を30年ぶりに更新し、昨年は37年ぶりのU20日本新(従来=愛敬重之8分31秒27/1983年)、41年ぶりの日本学生新記録(従来=新宅雅也8分25秒8/1979年)と、次々に歴史を塗り替えた。今年5月に8分17秒46と18年ぶり日本新(従来=岩水嘉孝8分18秒93/2003年)、翌月の日本選手権では転倒しながらも8分15秒99と更新して五輪代表を勝ち取った、とある。記録更新にはほとんど2桁年ぶりというおまけがついている。知る人ぞ知る期待のランナーだったのだろう。100メートルとか400メートルリレーとか、一般メディアが大々的に取り上げる種目以外ほとんど関心がない陸上競技。逸材は知らないところですくすくと育っている。これも新しい発見だ。
「東京五輪は自分にとって大切な経験になったと思います。3年後のパリ五輪では今回の7位を上回り、自分が納得できる走りをしたい。サンショーは自分の個性を出せる唯一の種目。自分の持っている力を出し切るまで向き合っていきたい」(YAHOOニュース)。「個性を出せる種目」と肩に力が入っていないところもいい。若干 19歳。3年後のパリ五輪でもまだ22歳だ。オリンピックの後は「駅伝」にシフトする。「1人の学生ランナー」に戻って順大の仲間たちと戦う。サンショーで49年ぶりに予選を突破したことも輝かしいが、なんといっても日本人離れしてラストに強いという魅力がある。決勝でもラストに10位から3人を抜いた。箱根駅伝の楽しみが一つ増えた。
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