[26日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)のタカ派は26日、パウエル議長の重要講演を翌日に控え、資産購入には効果がないとして早期のテーパリング(量的緩和縮小)を要求した。
セントルイス地区連銀のブラード総裁は、CNBCテレビとのインタビューで「現時点では資産購入は必要ない」と明言、来年の第1・四半期末までに資産購入を終わらせるよう改めて主張した。
さらに「連邦公開市場委員会(FOMC)では良いコンセンサスが得られ、好ましい巻き戻しのプロセスに入ることができるだろう。われわれはテーパリング計画に関してまとまりつつある」と語った。合意の時期などには触れなかった。
カンザスシティー地区連銀のジョージ総裁も、引き続き経済の成長や雇用の増加が予想されることから、FRBは早めにテーパリングを始めるべきと提案。FOXビジネスとのインタビューでインフレ率の上昇は「資産購入を縮小する機会になる」と述べ、年内の調整も可能との見方を示唆した。
ダラス地区連銀のカプラン総裁は、CNBCテレビとのインタビューで「9月のFOMC会合で買い入れを調整する計画を発表し、10月またはその後すぐに計画を実行し始めるというのが、引き続き私の考えだ」と強調した。
デルタ変異株のまん延については、3総裁とも経済への影響が深刻化することはないと楽観視。カプラン氏は「企業側からは少なくとも過去の感染拡大と同様、今回の流行も乗り切っており、ビジネスへの影響は一段と限定的だという声が多く聞かれる」とした。
3総裁はまた、高インフレが低・中所得者層に与える影響を挙げ、FRBが目標とする包括的な成長とは、最大雇用と物価の安定の双方を意味すると主張。ブラード氏は、住宅価格の高騰が懸念されるとした上で、借り入れコストの抑制や資産価値のさらなる値上がりにつながる住宅ローン担保証券(MBS)の購入を続けることで、FRBは支援どころかダメージを与えかねないと警告した。