[ニューヨーク 10日 ロイター] – ニューヨーク外為市場で はドルが上昇。米債券利回りの上昇に追随した。しかし、米連邦準備理 事会(FRB)の量的緩和の縮小(テーパリング)開始時期を巡り新たな手掛かりが待たれる中、ドルの地合いは完全には回復していないもよ う。

ウェルズ・ファーゴのマクロストラジテスト、エリック・ネルソン 氏は「米利上げ開始時期が最も重要と考えるが、当面明らかにはならな いだろう」と述べた。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は10日、FR B当局者が11月のテーパリング開始に向け、9月の連邦公開市場委員 会(FOMC)での合意を目指していると報じた。クリーブランド地区連銀のメスター総裁は10日、FRBが年内に テーパリングに着手することを引き続き望んでいると述べた。

朝方発表された8月の米卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・ サービス)は前年同月比8.3%上昇した。比較可能な2010年11 月以降で最大の伸びを記録し、新型コロナウイルスのパンデミック(世 界的大流行)が引き続きサプライチェーン(供給網)を圧迫する中、高インフレが当面続く公算が大きいことを示唆した。

終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数は0.05%高 の92.57。先週末には1カ月ぶりの安値となる91.94を付けて いた。ユーロ/ドルは0.07%安の1.1816ドル。

バイデン米大統領が7カ月ぶりに中国の習近平国家主席と電話会談 したというニュースが伝わったことでリスク選好度が高まり、ドルは序盤の取引で下落する場面もあった。ホワイトハウスの声明によると、両首脳は、米中の競争が紛争につ ながることを回避する必要性について協議。「幅広い戦略的な協議」を 行い、「利害関係が収れんする分野と利害関係、価値観、視点が乖離す る分野」について協議したという。

ドルは人民元に対し0.13%下落し、1ドル=6.441 9元。先週付けた約2カ月ぶり安値に迫った。

ドル/円 
 NY終値 109.93/109.94
   始値 109.94
   高値 109.95
   安値 109.81

ユーロ/ドル 
 NY終値 1.1814/1.1816
   始値 1.1829
   高値 1.1841
   安値 1.1810