[ソウル 26日 ロイター] – 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の妹、金与正党副部長は25日、談話を発表し、韓国と北朝鮮が互いを尊重する姿勢を維持するなら南北首脳会談の実施を検討する用意があるとの考えを示した。朝鮮中央通信(KCNA)が伝えた。
与正氏は24日にも談話を発表。朝鮮戦争(1950─53年)の終戦に向けた正式協議を行う前に、北朝鮮に対する敵対姿勢を改め、二重基準を放棄する必要があると述べた。
25日の談話では「公平性と互いを尊重する態度が維持されてこそ南北間の円滑な理解が実現できる」と指摘。建設的な議論は、南北共同連絡事務所の再設置や南北首脳会談、終戦宣言といった問題を意義のある形で解決する機会を与えると説明した。
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は21日に国連総会の一般討論演説で朝鮮戦争の終戦宣言構想を訴えた。
与正氏は「韓国国民の間に、硬直した南北関係をできるだけ早期に回復し平和的安定を実現したいという雰囲気が非常に強いと感じた」とし、「われわれも同じ思いを持っている」と語った。
韓国統一省は26日、与正氏の談話を歓迎する声明を発表。「こうした議論のためには、円滑で安定した意思疎通が重要であるため、まず南北間の通信線を速やかに復旧する必要がある」と述べた。
南北間のホットラインは北朝鮮側が応答しなくなったため、8月から運用されていない。