「インフレは一過性ではない」との指摘が先週、大手米銀の首脳から相次ぎました。ゴールドマン・サックス・グループのジョン・ウォルドロン社長は「一過性と定義される事象と日々目にする事象との間にこれほどの乖離(かいり)があるのは見たことがない」とコメント。家賃などの上昇を目の当たりにしている生活者からは怒りの声が上がっています。11月2、3両日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、今週も米金融当局者の発言に注目が集まります。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

利上げへ地ならし

イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は、最近のエネルギー価格高騰はインフレ加速が長期化する可能性があることを意味すると述べた。中央銀行には供給混乱の問題に対応する手段はないとした上で、金融当局者はインフレ期待の上昇が一段と定着するのを防ぐために行動する必要があると指摘。一方、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は足元のインフレ高進が続く可能性は低く、「おおむね一過性」のものだと述べた。

リスク「封じ込め」

中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は、中国恒大集団の問題が同国経済や金融システムに及ぼすリスクを当局は封じ込め可能だと述べた。グループ・オブ・サーティ(G30)が開いたバーチャル形式の会合での発言。易総裁は「債権者や株主の権利および利益は、法に厳密に従って完全に尊重される。こうした債務の優先順位も法律で明確に示されている」と語った。

エラリアン氏が警告

モハメド・エラリアン氏は米金融当局が新型コロナウイルス対策として導入した刺激措置を縮小する場合、市場のボラティリティー上昇に投資家は備えなければならないと指摘。「ボラティリティーが低く、全てが上昇するというこれまでの素晴らしい環境が、ボラティリティーの上昇によって終わるかもしれないとやや心配している」と述べた。

価値は1000億円余り

米ネットフリックスは、最新の大ヒットドラマ「イカゲーム」が同社に9億ドル(約1030億円)近い価値をもたらすと推計している。社内資料から明らかになった。動画配信の時代にはメガヒット作が想定外の収入を生み出し得ることを示す例だ。9月17日にイカゲームがリリースされて以来、ネットフリックスの株価は7%近く上昇している。同社は19日に7-9月(第3四半期)決算を発表する。

ブースターの混合検討

米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のファウチ所長は、1回接種型である米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の新型コロナウイルスワクチンを接種した人がブースター(追加免疫)としてメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンを接種すべきかどうか、米当局が検討すると明らかにした。

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