[ワシントン 12日 ロイター] – 米労働省が12日に発表した9月の雇用動態調査(JOLTS)は、自発的な離職件数が前月比16万4000件増の440万件と、過去最高を記録した。求人件数は1040万件と、前月から19万1000件減少したものの、引き続きコロナ禍前の水準を上回っており、企業が引き続き採用で苦戦している様子が浮き彫りとなった。

自発的な離職件数は、労働者の雇用市場に対する信頼感の指標として注目されている。キャピタル・エコノミクス(ニューヨーク)のシニア米国エコノミスト、マイケル・ピアース氏は「自発的な離職件数の継続的な大幅増加は、賃金上昇率が4.5─5.0%であることを示している。これは、インフレ率が持続的に連邦準備理事会(FRB)の目標に向けて低下していくとの見通しと整合的な水準をはるかに超えている」と述べた。

部門別の自発的な離職件数は、芸術・エンターテイメント・娯楽が5万6000人、その他のサービスが4万7000人。州・地方政府の教育部門が3万人だった。

採用件数はほぼ横ばいの650万件。

米労働省が5日発表した10月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月より53万1000人増加した。予想されていた以上の増加幅となり、第4・四半期の初めに経済活動が勢いを取り戻したことをより鮮明に示した。