[ストックホルム 29日 ロイター] – スウェーデン初の女性首相のアンデション氏は、選挙を前にした政治的混乱の中で辞任した後、29日に再任された。
アンデション氏が社会民主労働党だけで構成する少数与党政権の計画を発表後、議会は1週間足らずで2度目となるアンデション氏の首相選出を行った。
財務相だったアンデション氏は24日に首相に選出されたが、その数時間後には、予算案の採決で連立相手が政権を離脱したため辞任した。
アンデション氏は記者会見で「他の少数与党政権と同じように、われわれは議会内の他の政党の協力を求めていくし、そうする良い機会だと思っている」と語った。349議席の議会で、社会民主労働党は100議席を持つ。
「社会民主労働党は議会の第1党で、他党を引き離している。また、われわれは他の政党と協力してきた長い伝統があり、スウェーデンを前進させるために必要なことを行う用意がある」と訴えた。
野党の穏健党(中道右派政党)のクリステルソン党首は、次期政権を「9カ月間の世話役政権」と表現し、2022年9月に予定されている総選挙に向けて多くの成果を上げることはできないだろうと述べた。
アンデション氏は、ここ数十年のスウェーデンで最も弱い政権の一つを率いることになる。反移民政策を掲げており、過去10年間の議席拡大がスウェーデンの政治的混乱をもたらしてきたスウェーデン民主党を含む3つの野党が一部策定した予算に基づいて政権を運営する必要がある。
議会は先週、野党が提出した予算修正案を採択し、政府の支出計画を大幅に変えた。
社会民主労働党は2014年から政権の座を維持しており、スウェーデン民主党が政策に影響を及ぼさないようにする点のみでかろうじて一致した他の政党に支えられている。