[ニューヨーク 2日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市 場では、不安定な地合いの中、ドルが上昇した。米国株の上昇を受けて リスク選好の動きが強まったが、11月雇用統計の発表を翌日に控えて 上値は限定的だった。
投資家は、急速に拡大している新型コロナウイルスのオミクロン型変異株への感染や、米連邦準備理事会(FRB)の資産買い入れ縮小の 速度を懸念している。
午後の取引でドル指数は0.1%上昇し96.131。先週 、オミクロン株の検出が初めて報じられた後には下落したが、先月付け た16カ月ぶり高値96.938に近い水準を維持している。
この日は、米国でオミクロン株の2例目の感染が確認されたが、株や他のリスク資産への影響は軽微だった。 TDセキュリティーズのシニア為替ストラテジスト、Mazen Issa氏 は「相次ぐ感染の波の影響は、長引くほどに小さくなる傾向があること がわかる。確かにリスクはあるが、ワクチンメーカーはそのリスクに対 応することが可能だ」と指摘した。
ドルは対円で0.4%高の113.155円。英ポンドは0.2%高の1ポンド=1.3298ドル。ユ ーロは0.2%安の1ユーロ=1.1294ドル。
スコシアバンクはリサーチノートの中で、「準安全通貨」としての ユーロの投資妙味を強調した。先週のオミクロン株検出の報道が出て以 来、ユーロは対ドルで0.9%上昇している。短期的な経済・金利のファンダメンタルズが弱いことから、ユーロは1.10─11ドルに向か って弱含むと予想しているが、オミクロン株を巡る不確実性により、目先は1.12─1.14ドルのレンジで推移するとの見方を示した。
ドル/円
NY午後4時 113.16/113.19
始値 112.93
高値 113.24
安値 112.72
ユーロ/ドル
NY午後4時 1.1298/1.1299
始値 1.1338
高値 1.1347
安値 1.1296