A vial and prepared doses of the Pfizer-BioNTech Covid-19 vaccine at the Grassy Park civic center in Cape Town, South Africa, on Tuesday, Nov. 30, 2021. Photographer: Dwayne Senior/Bloomberg

ファイザーと独ビオンテックは8日、新型コロナウイルスのオミクロン変異株を中和するには、3回目のワクチン接種が必要となる可能性があるとの見方を示した。試験施設での暫定結果として発表した。

  試験結果によれば、ワクチンを2回接種した人のオミクロン株に対する中和抗体の水準は、初期のコロナウイルスに対する水準の26分の1でしかなかった。しかしブースター(追加免疫)接種でオミクロン株に対する抗体は26倍近く増加した。このため2回接種で従来のコロナウイルスに対して得られたのと同様の保護が、ブースター接種でオミクロン株に対して得られるという。

  今回の試験結果は2回のワクチン接種ではオミクロン株の感染予防に対して「十分ではない可能性」を示していると、両社は指摘。ブースター接種の推奨とともに、オミクロン株に対応したワクチンの必要性が高まるとみられる。ファイザーによれば、オミクロン株対応のワクチンは2022年3月までに用意できる見通しだ。

  オミクロン株が先月、アフリカ南部で特定されて以来、同変異株に対するワクチンの有効性が不透明だったことから、市場ではボラティリティーが上昇。各国・地域で移動制限の導入が相次いだ。ファイザー・ビオンテックの試験結果を好感し、8日のS&P500種株価指数先物は寄り付き前の時間外取引で上昇した。

  ファイザーのアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)は発表文で、「暫定結果から、3回目の接種で保護が向上することは明らかだ」と述べた。

原題:Pfizer, BioNTech Say Booster Dose Needed to Fight Omicron (3)(抜粋)