【パリ時事】南太平洋のフランス特別自治体ニューカレドニアで12日、独立の是非を問う3回目の住民投票が実施された。地元選管の発表によると、独立反対が96%を超え、過去2回と同様に否決された。先住民を中心とした独立派がボイコットを決めたためで、投票率は過去最低の約44%だった。

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 ニューカレドニアは1853年にフランスが併合。1998年に仏政府と結んだヌメア協定が定めた投票は、今回が最後だった。同協定は3回目の投票も否決なら「政治関係者が状況検討のため協議する」と規定しており、今後も独立の権利は存続する。仏メディアによれば独立派は投票結果を認めず、その後の体制協議にも参加しない意向を事前に表明しており、混乱が予想される。

 ニューカレドニアはインド太平洋地域におけるフランスの重要な戦略ポイントだ。仏政府は同地域で存在感を強める中国を警戒。ニューカレドニアの豊富なニッケル資源を狙う中国が独立派を支援しているとの見方もあり、独立を阻止したい思惑があった。

 マクロン仏大統領は結果判明後にテレビ演説し、「ニューカレドニアがフランスに残ると決めたことを誇りに思う」と述べた。一方で、ボイコットを念頭に「大きな分裂」があったと指摘。「全ての人の尊厳を認めて尊重しつつ、共通の計画を打ち立てなければならない」と団結を呼び掛けた。