[モンバサ(ケニア) 6日 ロイター] – 中国の王毅国務委員兼外相は6日、「アフリカの角(つの)」と呼ばれるアフリカ東部地域を担当する特使を任命すると表明した。地域の安全保障問題解決に向けた取り組みを支援するという。また、各国に和平交渉を行うことを提案したと付け加えた。

王氏は、エチオピアで2020年11月に始まったティグレ人民解放戦線(TPLF)とアビー首相の政府軍との間の紛争を止めるため外交努力を積極的に行っているケニアを訪問。通訳を介し、「この問題を議論し、政治的コンセンサスを共有し、行動を調整するため、中国はアフリカの角を担当する特使を任命する」と述べた。

アフリカの角で中国は、世界の主要航路を望むジブチに大規模な海軍基地などを持つほか、貿易でジブチの港に依存する内陸国エチオピアに多額の融資を行っている。

また、この地域は中国が多額の石油投資を行っている南スーダンの不安定さや、ソマリアのイスラム過激派の脅威にもさらされており、中国が多額の投資を行っている隣国ケニアでは市民への攻撃が頻発している。

王氏は、モンバサ港で行われたケニア高官との共同会見で、アフリカの角諸国は地域の運命を自らの手で切り開くべきだと指摘。その上で「われわれはこの地域の国々がアフリカの角の平和に関する会議を開催することを提案した」と述べた。