[東京 6日 ロイター] – シンガポールの資産運用会社3Dインベストメント・パートナーズは6日、東芝に臨時株主総会の招集を請求したと発表した。東芝が目指す会社3分割を巡り、定款変更を求める。東芝が計画している2023年度の定時株主総会を待たず、会社分割への賛否を実質的に問うもので、3D自身は議案に反対する。 

3Dは東芝の第2位株主。昨年11月に分割案に反対する書簡を東芝へ送付し、非上場化や外部からの出資受け入れに向けた提案を正式に募るよう求めた。

3Dは今回、東芝に対し2つの議案を提案し、臨時株主総会を開くよう要求している。1つ目は東芝が進める分割計画を案ではなく義務化するため、定款変更を求める内容で、3分の2以上の株主の同意が必要となる。

東芝は分割案を2023年度の定時株主総会で諮る予定で、この決議には3分の2以上の株主の賛同が必要。今回の議案は、再来年度の決議を事実上前倒しさせる狙いがある。「物言う株主」が3割弱を占める現状では分割案への同意を得るハードルは高い。

3Dは6日に公表した声明文で、「十分な数の株主が最終的に同意するかを把握することなしに莫大な経費をかけて3社分割案を推進することに合理性はない」と主張している。

2つ目の議案は東芝の戦略委員会と取締役会に対し、戦略的な検討の継続を要請する内容。プライベートエクイティファンドなど潜在的買収者から、非公開化や出資受け入れに向けた提案を積極的に募集し、検討することを求めている。3Dは、この議案には賛成するとしている。

3Dは、東芝の戦略委員会が企業価値向上策を網羅的に検討することなく3社分割案を取締役会に推奨したとして、「深く落胆している」と表明。戦略委員会が検討をやり直すことは「東芝の企業価値の向上を通じて、すべてのステークホルダー(利害関係者)に利益をもたらすと確信している」と指摘した。

東芝は昨年11月、グループを3つの会社に再編し、このうちインフラ事業とデバイス事業を手掛ける2社を2023年度下期に上場させる計画を発表した。

東芝も、23年度の定時株主総会とは別に今年3月までに臨時株主総会を開き、株主の意向を問うと表明している。しかし、この臨時株主総会は法的に義務付けられたものではなく、東芝が自主的に開くという位置づけ。議案の詳細も発表されていない。

複数の関係者によると、同臨時株主総会では分割案そのものではなく、分割案を決定した取締役の再任について株主の賛否を問う案も出ている。取締役の選任は過半数の賛同で決議できるため、23年度の定時株主総会で問う分割計画への賛否そのものを問う決議よりもハードルは低い。

東芝は6日夜、3Dからの書面を受領したことを明らかにしたうえで、3Dの請求には異例な内容が含まれているとして、「対応について慎重に検討中」とのコメントを発表した。

(山崎牧子 編集:久保信博)