[ニューヨーク 31日 ロイター] – 米カンザスシティー地区連銀のジョージ総裁は31日、連邦準備理事会(FRB)は過去と比べ早い時点で量的引き締め(QT)に着手でき、積極的な資産縮小により、利上げペースは緩やかなもので済む可能性があるとの見方を示した。
FRBは25─26日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、3月に利上げする可能性を示すとともに、資産買い入れを予定通り同月に終了すると確認した。ジョージ総裁はこの利上げと資産買い入れ終了とはつながっていると指摘した。
インディアナのエコノミッククラブが開催したイベントで「バランスシートにどのように対応するかで金利の道筋は影響を受け、その逆もあり得る」とし、「例えば、バランスシートに積極的に対応すれば、金利の道筋はより緩やかなもので済む可能性がある」と述べた。
一方、FRBが急速な利上げと緩やかな資産縮小という組み合わせを選べば、金融リスク増大につながると指摘。短期金利を引き上げながら保有する債券を通して長期金利に低下圧力をかければ、利回り曲線が平坦化し、長期投資家が利回りを追求する動きにつながるとの見方を示し、「全体として、前回の引き締めサイクルと比べ、バランスシートに早めに対処することが適切になる」と述べた。
また、インフレ率が約40年間で最高水準に達し、金利もゼロ近傍にあることから、FRBはパンデミック(世界的大流行)下で実施した支援策を縮小し始める時期に来ていると言及。「理想的には常に段階的な縮小が望まれる」とした上で、金利正常化への道のりは「長い」とした。
さらに「FRBは緩和縮小を決定する上で意図的に動かなければならず、それは前回の会合で示唆された」とした。
米利上げペース、インフレ動向次第=リッチモンド連銀総裁<ロイター日本語版>2022年2月1日6:44 午前
[31日 ロイター] – 米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は31日、米連邦準備理事会(FRB)が3月に利上げを開始した後の利上げペースと規模については米経済、特にインフレ率の動向次第との認識を示した。
CNBCとのインタビューで「FRBの立場改善を望んでおり、年内の適切な時期にそうなるだろう」と指摘。「どの程度迅速に到達できるかは経済がどのように発展するかによる。年内のインフレ動向を見守りたい」と語った。
米3月利上げ支持、年内の金利動向に「選択肢」望む=SF連銀総裁<ロイター日本語版>2022年2月1日2:44 午前
[31日 ロイター] – 米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は31日、連邦準備理事会(FRB)が3月にゼロ金利政策を解除する見通しとしつつも、政策金利が年末までにどの程度上昇するかについては「選択肢」を維持したという認識を示した。
デイリー総裁は、年末時点での金利の水準については「あらかじめ決定することは望んでいない。双方向のリスクを確認しており、今後入手される指標を見極めたい」とし、「選択肢をオープンにしておく必要がある」と強調した。
この発言に先立ち、総裁はロイター・ブレーキングビューズのインタビューで、FRBが3月にゼロ金利政策を解除した後、景気を支えながら年末までに政策金利を1.25%まで余裕をもって引き上げることができるとの考えを示していた。
消費者物価は昨年7%急伸し、FRBの目標の倍以上の水準に達している。デイリー総裁は物価上昇がもはやパンデミック(世界的大流行)の打撃を受けていたセクターにとどまらず、幅広い分野に広がっていることに言及し、このような高インフレを「誰も快適とは感じていない」と指摘。同時に「FRBは(インフレ対応で)後手に回っていない」とも強調した。
賃金は上昇しているものの、70年代型の賃金・物価上昇スパイラルの兆候は見られないとし、「異例な緩和」の解除に加え、急激な緩和解除によって経済成長を損なわず自律的な経済を実現させることがFRBの課題とした。
さらに「政策金利の調整は必要だろうか」と疑問を呈した上で、「間違いなく必要だ」と断言した。