【ロンドン=深沢亮爾】ロシア軍が包囲するウクライナ南東部マリウポリでの戦闘で、露国防省は17日、抵抗を続けるウクライナ軍に投降を要求し、応じない場合には殺害すると警告した。ウクライナの首相は投降要求を拒否することを表明した。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、マリウポリで「全滅」すればロシアとの停戦協議を打ち切る可能性を示唆した。

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 露軍は人口約40万人の港湾都市マリウポリを3月初めから包囲し、激しい砲撃などを加えてきた。露国防省は16日、市街地を「完全に解放した」と発表し、その後、製鉄所の敷地を拠点に抵抗を続けるウクライナ軍に対し、17日午前6時(日本時間17日正午)から17日午後1時(同午後7時)までの投降を求める最後通告を出した。

 これに対し、ウクライナのデニス・シュミハリ首相は17日、米ABCニュースのインタビューで「我が軍の部隊は依然、残っており、最後まで戦う」と述べた。

 17日午前の発表で、露国防省は、ウクライナ側の通信内容を傍受したとして、「投降を拒否するよう指示されている」と主張した。約2500人とされるウクライナ軍側にはカナダや欧州などの外国人雇い兵が最大400人含まれているとし、「抵抗を続ければ全員殺害することになる」と警告した。