[ワシントン 20日 ロイター] – 米政府は20日、ウクライナに侵攻したロシアに対する新たな制裁措置を導入した。商業銀行や暗号資産(仮想通貨)のマイニング(採掘)企業を含む数十の団体や個人を標的にし、既存の制裁措置回避の阻止を狙う。

財務省によると、仮想通貨のマイニング企業を制裁対象とするのは今回が初めて。プーチン政権に近いとされる新興財閥(オリガルヒ)のコンスタンチン・マロフェーエフ氏が率いる団体も対象とした。

ネルソン財務次官(テロリズム・金融情報担当)は、財務省はロシアの残酷な戦争を支持している者を標的とすると述べた。

この件に関してワシントンの在米ロシア大使館からコメントは得られていない。

財務省が制裁対象としたのは、モスクワに本拠を置くビットコイン採掘企業「ビットリバー」の持株会社。同社はシベリアの10カ所でデータセンターを運営している。

このほか、商業銀「トランスカピタルバンク」も対象とした。中国を含むアジア地域のほか、中東で業務を展開しており、対ロシア制裁を回避する方法を提案しているという。

これとは別に国務省は、人権侵害の責任追及に向け600人を超える個人にビザ制限を課し、米国への渡航を禁止すると明らかにした。