[ワルシャワ 26日 ロイター] – ロシア国営天然ガス独占企業・ガスプロムは、ポーランドとブルガリアに対し、27日からガスの供給を停止すると通知した。
ロシアが2月24日のウクライナ侵攻開始以降、ガス供給を停止するのは両国が初めてとなる。
ポーランドは26日、ガスプロムを含むロシア企業やオリガルヒ(新興財閥)に対する制裁措置を発表した。
ロシアのプーチン大統領は「非友好国」に対して、ガスの支払いをルーブルで行うよう要求している。
長期契約の下でガスプロムから天然ガスを購入しているポーランドのPGNiGはこれに応じない構えで、今年末が期限の契約も更新しない方針を示している。
ポーランドのガスプロムとの契約は年間102億立方メートルで、国内消費の約50%を賄っている。
ポーランド当局は国内のエネルギー供給は確保されており、ガスの備蓄を取り崩す必要はなく、消費者へのガス供給は削減されないとした。
ブルガリアもガスプロムとの契約が今年末に期限を迎える。同国はガス需要の90%超をガスプロムからの輸入(年間約30億立方メートル)で賄っている。
調査会社ICISのガス分析責任者、トム・マルゼックマンサー氏は「ポーランドは何年も前から反ロシア、反ガスプロムのスタンスを取ってきたが、ブルガリアはそうではない。したがってブルガリアの供給も停止されるというのは、大きな展開だ」と指摘した。
ポーランドは、ドイツやリトアニアなどを通じてガスを調達できるとしている。
ブルガリアは代替ガスの確保に向けた措置を講じたとし、当面はガス消費を制限する必要はないとした。
ジェフリーズのアナリストは、両国に対する供給停止の警告により、年末までに期限切れとなる他の欧州の契約(年間約120億立方メートル相当)も早期に解除されるリスクが高まったと指摘する。
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