【ロンドン時事】ロシア軍が包囲するウクライナ南東部マリウポリで抵抗を続ける精鋭部隊「アゾフ大隊」は4月30日、拠点としているアゾフスタル製鉄所に取り残されていた民間人のうち20人が退避したと明らかにした。英BBC放送はロシア国防省の話として、製鉄所近くの居住施設から同日、民間人46人が避難したと伝えた。

 製鉄所の地下にはなお数百人の民間人やウクライナ兵がいるとみられる。ロシアは先月21日にマリウポリ制圧を宣言したが、その後も攻撃を継続している。

 アゾフ大隊副司令官は通信アプリを通じ、「女性や子供ら民間人20人が適切な場所に移された。ザポロジエのウクライナ側支配地域に彼らを退避させることを望む」と述べた。当初の予定から遅れたものの、ロシア側、ウクライナ側とも退避のための停戦を順守しているという。

 一方、ペロシ米下院議長が首都キーウ(キエフ)を訪問し、30日、ゼレンスキー大統領と会談。米国としてウクライナを強固に支援する方針を伝えた。ペロシ氏は1日記者団に対し、「治安や人道、経済支援、そして(ウクライナが)勝利を収めた後の復興」を中心に議論したと説明した。