【モスクワ=小柳悠志】ロシアのプーチン大統領は5日、ラブロフ外相がナチス・ドイツを率いたヒトラーが「ユダヤ人の血を引いている」と発言したことを巡って、イスラエルのベネット首相との電話協議で謝罪した。ベネット氏も謝罪を受け入れた。タス通信などが伝えた。
イスラエルはロシア系住民が多く、ウクライナ侵攻に対して「中立的な立場」を保っているため、プーチン氏としてはイスラエルとの関係悪化を避けたい思惑があったとみられる。
ラブロフ氏は1日、ウクライナのゼレンスキー大統領がユダヤ系であることを踏まえ「非ナチ化」を名目とするウクライナ侵攻を正当化する狙いで「ヒトラーはユダヤ系」と発言。ユダヤ系でもウクライナにナチス勢力が存在しないことにはならないと主張したことにイスラエル側が反発していた。
5日はイスラエルの独立記念日。プーチン氏はヘルツォグ大統領に書面で「友好と相互理解に基づく両国関係が続くと信じている」と祝意を伝えた。
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