[ワシントン 10日 ロイター] – 米情報当局高官は10日、ロシアのウクライナ侵攻開始から約3カ月が経過した現在、状況は「やや膠着」しており、ロシアのプーチン大統領は長期戦に持ち込もうとしているとの見方を示した。

国防情報局(DIA)のベリエ長官は上院軍事委員会の公聴会で、これまでのところロシア軍の将校8─10人が戦死したとしながらも、「ロシアもウクライナも勝っておらず、膠着状態にある」と述べた。

ただ、ロシアによる戦術核兵器使用については「現時点でその可能性はない」との見方を示した。

ヘインズ国家情報長官は同公聴会で、ウクライナ東部のドンバス地域でロシアが勝利したとしても戦争は終結しない可能性があると指摘。「プーチン大統領は長期戦に向け備えている。その間にドンバス地域獲得以上の目標を達成しようとしている」と述べた。

その上で、プーチン氏は西側諸国の決意が時間の経過とともに弱まっていくと予想しているとし、今後は予測が一段と困難になり、事態がエスカレートする恐れがあるとの見方を示した。