【ロンドン時事】英国防省は15日、ロシアのウクライナ侵攻に関する戦況報告で、ロシア軍が2月の侵攻開始後に投入した地上戦力の3分の1を失った可能性が大きいとする分析を明らかにした。東部ドンバス地方でのロシア軍の攻勢は「勢いを失い、予定よりも大幅に遅れている」と指摘している。
核搭載可能ミサイル、模擬発射 ロシア飛び地カリーニングラード―ウクライナ支援の欧米けん制
ロシアは4月中旬、ドンバス地方の支配拡大に向けて攻勢に出た。戦況報告は、攻勢の初期に小規模な前進はあったものの、実質的な支配地の拡大はできていないと説明。「現在の状態では、今後30日、ロシアが進軍速度を劇的に加速させるとは考えにくい」とみている。
北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長も15日、記者団に対し、ロシア軍が「首都キーウ(キエフ)制圧に失敗、(北東部の)ハリコフ周辺から撤退し、ドンバス地方での大規模攻勢は失速した」と指摘。「ウクライナはこの戦争に勝ち得る」と述べた。