18日のニューヨーク株式市場では、この日発表された小売り大手、ターゲットの先月までの3か月間の決算が大幅な減益となったことなどから、記録的なインフレを背景に燃料費や人件費といったコストが増加して企業業績が悪化することへの懸念が強まりました。

このため取り引き開始直後から小売りを中心に幅広い銘柄に売り注文が膨らみ、ダウ平均株価は一時1200ドルを超える急落となりました。

終値は前日に比べて1164ドル52セント安い3万1490ドル7セントと、ことしの最安値を更新し、去年3月以来の安値となりました。

下落幅は終値としておととし6月以来、1年11か月ぶりの大きさとなりました。

IT関連銘柄の多いナスダックの株価指数も前日に比べて4.7%の急落となりました。

ターゲットの株価は前日に比べて24.9%の急落でした。

市場関係者は「前日(17日)に発表された小売り大手、ウォルマートの決算でも業績が悪化していたため投資家の間で緊張感が高まり、売りが売りを呼ぶ展開となった」と話していて、インフレが企業の収益を圧迫し景気を減速させることへの警戒が強まる状況となっています。アメリカの小売り大手の間では記録的なインフレを背景に商品を仕入れる際の費用や人件費といったコストが増加し、先月までの3か月間の決算で減益となる企業が相次いでいます。
このうちターゲットが18日に発表した先月までの3か月間の決算によりますと
▽売り上げは前の年の同じ時期と比べて4%増加した一方
▽最終的な利益は10億900万ドル、日本円でおよそ1300億円と前の年の同じ時期と比べて51.9%減少しました。

またウォルマートが17日に発表した先月までの3か月間の決算では
▽売り上げが前の年の同じ時期と比べて2.4%増加した一方
▽最終的な利益は20億5400万ドル、日本円でおよそ2600億円と前の年の同じ時期と比べて24.8%減少しました。

両社ともに増収となったものの、アメリカで続く記録的なインフレを背景に商品を仕入れる際の燃料費などの費用や人件費といったコストが増加したため大幅な減益となりました。

ウォルマートのダグ・マクミロンCEOは「異常な環境を反映した業績で、特に食料と燃料におけるアメリカの物価上昇が予想以上に収益を圧迫した」とコメントし、コストの一部は今後商品価格に転嫁していく考えだということで、コストの上昇がさらなる値上げへとつながる状況になっています。