主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議はウクライナに対し、198億ドル(約2兆5300億円)規模の短期的な財政支援を表明した。
ロシア・ルーブルが一時、対ユーロで約7年ぶりの高値に上昇。ウクライナの中央銀行は、6月にも通常の金融政策決定を再開する可能性がある。
ロシア財務省は20日、国債のクーポン支払い資金をロシア連邦証券保管振替機関(NSD)に移したとの声明を発表した。
バイデン米大統領は19日の声明で、400億ドル(約5兆1000億円)強のウクライナ支援法案の議会通過に歓迎の意を表明した。
ロシア軍はドネツク、ルガンスク両州の「歴史的な境界」までウクライナ領を制圧し、近隣地域を「非武装化」すると、ロシア大統領府幹部のセルゲイ・キリエンコ氏が語った。
ウクライナ情勢を巡る最近の主な動きは以下の通り。
G7が198億ドル支援表明
G7財務相・中央銀行総裁会議は20日、ウクライナに198億ドル(約2兆5300億円)の財政援助を実施すると表明。「ウクライナに人道支援や必要な物資を提供するほか、ウクライナが緊急に必要としている短期的な財政支援を特に認識している」との共同声明を発表した。支援には、会議に向けて早急にまとめられた95億ドルの援助が含まれている。
G7財務相・中銀総裁、198億ドルのウクライナ支援を表明-声明
ロシア、利払いで振替機関に資金移管との声明
ロシア財務省はクーポン支払いの資金をロシア連邦証券保管振替機関(NSD)に移したとの声明を発表。これによると、NSDは2026年5月償還債のクーポン7125万ドル(約91億円)と、36年5月償還債のクーポン2650万ユーロ(約36億円)の資金を受け取った。同省は「完全に」債務を履行したと表明した。
ロシア、2026年と36年償還債の利払いで振替機関に資金移管-声明 (1)
ロシア資産没収措置に他国も関心-カナダ財務相
カナダのフリーランド財務相は、ウクライナ復興資金に充てるためにロシア資産を没収することを認めるカナダの法的措置について、G7の他のメンバーが関心を持っていると述べた。
財政赤字ルール適用停止の延長不要-独財務相
欧州連合(EU)は財政赤字に関するルールの適用停止措置を2023年に延長する必要はないと、ドイツのリントナー財務相が述べた。事情に詳しい複数の関係者はブルームバーグに対し、欧州委員会が適用停止を23年末まで延長する提案を23日に行うと明らかにした。同ルールは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受けて、今年末までの予定で停止されている。
シュレーダー元独首相、ロスネフチ会長辞職へ
ドイツのシュレーダー元首相は、ロシア国営石油ロスネフチの会長職を辞することになった。同社によると、シュレーダー氏から任期を延長することはできないとの通知があった。ロシアによるウクライナ侵攻後もプーチン大統領と距離を置く姿勢を見せず、身内の社会民主党(SPD)からも批判の声が上がっていた。
フィンランドへのガス供給停止
フィンランドの国営エネルギー会社ガスムは、ロシアの天然ガス供給が21日未明に停止することを明らかにした。ルーブルでのガス代支払いを拒否したことが背景。
フィンランド、ロシアがガス供給を21日に停止へ-欧州3カ国目に
ルーブルが7年ぶり高値
ロシア・ルーブルが対ユーロで一時9%上昇し、2015年6月以来、約7年ぶりの高値を付けた。ロシアは天然ガスの代金をルーブルで支払うよう要求しているが、それに従う外国企業が増えたとみられている。
ウクライナ中銀、6月にも通常の金融政策決定か
ウクライナ中銀は来月にも通常の金融政策決定を再開することを検討している。事情に詳しい関係者3人が明らかにした。同中銀はロシアによる侵攻後の経済崩壊とインフレ高進を受け、金利政策の判断を停止している。
チェルノブイリ原発近くの森林火災は放射線リスクなし
ウクライナ当局者は国際原子力機関(IAEA)に対し、同国北部のチェルノブイリ原子力発電所近くで発生した森林火災は放射線リスクをもたらさないと報告した。グロッシIAEA事務局長が声明で明らかにした。IAEAもウクライナの分析に同意した。
米国と国連がウクライナ穀物鉄道輸送計画を検討-WSJ
米国とグテレス国連事務総長が計画しているベラルーシ経由のウクライナ産穀物輸送計画に関し、米国はベラルーシのカリウム肥料業界に科している制裁措置を6カ月間免除する提案する可能性がある。WSJ紙が当局者の話として伝えた。
米政権、1億ドル相当の軍事支援発表-支援法案大統領送付に先立ち
米上院が可決した400億ドル強のウクライナ支援法案の大統領送付に先立ち、バイデン政権は重火器やレーダーなどを含む1億ドル相当のウクライナ軍事支援を発表した。
米国防総省によると、1億ドル相当の軍事支援には155ミリりゅう弾砲18門などが含まれる。
米上院、400億ドル規模のウクライナ支援法案可決
米上院は400億ドル余りに上るウクライナ支援法案を86対11で可決した。バイデン大統領の署名を経て成立する。
米上院、400億ドル規模のウクライナ支援法案可決-大統領に送付
ロシア軍、ドネツク・ルガンスク両州を完全掌握する-大統領府
ロシア軍はドネツク・ルガンスク両州の「歴史的な境界」までウクライナ領を制圧し、近隣地域を「非武装化」すると、ロシア大統領府幹部が語った。ウクライナ軍の頑強な抵抗を前に進軍は滞っているが、ロシアの野心的な戦争目的を再確認した。
ロシア大統領府のキリエンコ第1副長官はテレビ中継された会合で、制圧の時間的なめどは示さなかった。ロシア軍が占領する地域の当局は、ロシアへの編入を目指す公算が大きいと示唆している。
原題:Ukraine Latest: G-7 Pledge Ukraine Aid as Ruble Hits 7-Year High(抜粋)