バイデン米大統領は台湾防衛に一歩踏み込んだとも解釈されかねない発言をして中国から反発を買いました。一方、トランプ前政権下で発動された対中関税を見直していると述べ、対中強硬姿勢の緩和も示唆しました。前週末に寸前のところで弱気相場入りを回避したS&P500種株価指数が材料視したのは後者の方。米銀トップの楽観的な見解もしかり、悪材料よりも好材料の方に市場の目が向き始めています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
暗雲が消える可能性
米銀JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、米国経済は依然として力強く、潜在的な成長阻害要因も不変ではないとの見方を示した。「力強い経済に、大きな暗雲がある」と述べ、「暗雲と呼ぶのは、それが消える可能性があるからだ」と続けた。リセッション(景気後退)入りの可能性はあるが、経済に及ぼす各状況が異例の組み合わせになっているとして、過去の景気後退とは異なるものになると述べた。
利上げで食料は増えない
ノーベル経済学賞受賞者で、米コロンビア大学教授のジョゼフ・スティグリッツ氏は「利上げはインフレという問題を解決しないだろう」と発言。「利上げが食料を増やすことはない」と述べた。「必要なのはサプライサイドの介入だ」とし、子供向けケアを拡大すれば、女性の労働参加が拡大し、労働供給が増えるとの考えを示した。
タカ派の不満
欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁はECBウェブサイトへのブログ投稿で、7-9月(第3四半期)末までにマイナス金利から脱却する可能性を示唆した。7月と9月の会合でいずれも0.25ポイントずつの利上げが行われることを示唆しており、事実上0.5ポイント利上げの選択肢を排除したことになる。より迅速なペースでの引き上げを選択肢として残しておきたい一部の当局者はそれに不満を抱いていると、複数の関係者が明らかにした。
追加減税計画
中国は主に企業を対象とした1400億元(約2兆7200億円)余りの追加減税措置を実施する。企業向けの追加税還付や、自動車購入税の600億元削減などが含まれる。中央人民放送(CNR)が李克強首相主宰の国務院の会合での決定内容を引用して伝えた。経済の「安定化」を目的としているという。サプライチェーン機能を支援する措置も改善する方針だとし、国内貨物輸送の円滑な運営確保や国内線の増便も明らかにした。
抗議の辞職
スイスのジュネーブでロシアの国連代表部に勤務していた外交官ボリス・ボンダレフ氏が、ウクライナ侵攻に抗議して辞職した。ウクライナでの戦争を同国外交官が公に非難したのは初めて。欧州連合(EU)のロシア産石油禁輸案は引き続きハンガリーの反対に遭い、来週のEU首脳会議で承認される可能性がますます低くなっている。複数の関係者が明らかにした。
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