【ニューヨーク=小林泰明】米連邦準備制度理事会(FRB)のラエル・ブレイナード副議長は26日、米議会下院の公聴会で、「デジタルドル」と呼ばれる中央銀行によるデジタル通貨について証言した。中国が力を入れるデジタル人民元などを念頭に、「(国際的な取引の)基準作りに関与することは非常に重要だ」と述べ、米国が基準策定で主導的な役割を担う必要性を強調した。
ブレイナード氏は「我々は(ドルが)決済通貨として支配的であることから、大きな利益を得ている」としたうえで、「国際的な決済において支配的な地位を維持することは非常に重要だ」と述べた。
同氏は今年2月の講演で、中国のデジタル人民元について「国境を越えたデジタル金融取引の基準策定に影響を与える可能性がある」と警戒感をにじませていた。