世界的な燃料コスト急上昇が需要への重しになり始めていると、世界最大の独立系石油商社ビトル・グループが指摘した。
ビトルのアジア責任者マイク・ミュラー氏は3日、ドバイのコンサルティング会社ガルフ・インテリジェンスのポッドキャストで、消費者はガソリンやディーゼル油といった石油製品の値上がりで打撃を受けつつあると指摘した。
同氏は「価格高騰により経済的ストレスが起きているという非常に明確な兆候があり、需要破壊だとの声も一部にある」とした上で、「石油だけでなく、液化天然ガス(LNG)でも見られる」と述べた。
米国では今年に入り、精製燃料の価格が過去最高に達している。価格高騰は米国だけでなく大半の国・地域で見られており、インフレ高騰の一因になっている。
ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油をガソリンとディーゼル油に精製する際の利ざやを示すクラック・スプレッドはバレル当たり50ドルに達した。これは今世紀の平均の3倍余りとなる。
ミュラー氏は「精製マージンは誰も予測しなかったような水準にある」とし、「これ以上はとても上昇し得ないだろうというのがコンセンサスのようだ」と述べた。
原題:Surging Fuel Costs Are Causing Demand Destruction, Says Vitol(抜粋)